日本橋人形町に住み始めて気が付いたことの中に豆腐屋さんが多いことと、
銭湯が何軒もあるということがあります。
昔から豆腐は手軽に栄養がとれる優秀な食品だから町民の食事には欠かせないものと
すぐに分かりましたが、今でも人形町、浜町、蛎殻町界隈この狭い限られた地域に
ざっと数えても5軒はあります。町内だったり、気に入った店だったりして贔屓の店は
決まっているのでしょう、私も買う店は決まっています。

また、住んでいる人たちは銭湯で一日の終わりの汗を流すと決まっていたものなのか、
賑わっていました。義母は「家風呂は温まらない」と好んで銭湯に通い、そこでよもやま話を
するのを楽しみの一つにしていました。
でも今はさすがに一軒、人形町の「世界湯」だけ、そういえば、以前職場の同僚(男性)が
銭湯をえらく気に入り3時の開場を待って入りに行きました。
同じく銭湯の前で開場を待っている町の長老に「ここはどうして世界湯っていうのですか?」と
尋ねたところ「てやんでぃ ここは昔から世界湯っていうんだ!」と返答されたとか。
ところで世界湯の湯船は二艘あって一艘はポコポコ泡が立っています。
そして、二艘とも「湯の温度は44度に設定をしています。」と札が掛けてあり、
初めはそおっと入らないと難しい熱さ、同僚は思わず湯船の蛇口に手を伸ばしたところ、
先に湯船に入っていた先ほどの長老が「兄さん、そこは触ってはいけねえ」と
言われてしまったと、嬉しそうに報告してくれました。

さて、蕎麦屋さんですが、少しずつですが増えています。
昔からある街の蕎麦屋さんは昼食に工夫を凝らし健闘しています。
また、最近手打ちで勝負する蕎麦屋さんがぽつんぽつんと出店しています。
店の設えを工夫したり、メニューに蕎麦の産地を明記したり、
日本酒の品ぞろえにこだわったりしています。
そして、駅前の立ち食い蕎麦屋さんもファーストフードのような品揃えのそばで頑張っています。

この三タイプの蕎麦は立ち位置が少し違いますが、共存をしてこの下町を
大いに盛り上げてほしいと願い、応援しています。

平成27年1月24日
日本橋そばの会
会長 横田節子

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