月に一度のそば講座に行きました。早朝、北千住から東武線に乗り込み窓際の席へ座ると、今日は晴天、空は全体に流れるような雲が薄く広がっています。おぼろ雲?車窓から差し込む太陽の光も明るく、春の兆しが感じられました。あつ!富士山が見えた。一人頭の中で拍手。越谷を過ぎるあたりは高架線になっていて遠くが見渡しやすく富士山が見ることができ、私の楽しみのひとつになっています。
東武動物公園駅で下車、バズに乗り換え安田先生の工房に着いたのは8時過ぎ、もう皆さんは準備をしていました。
本日の講座は「裁ちそば」。裁ちそばにもいろいろな打ち方があるとのことですが福島県の桧枝岐村に伝わる打ち方の勉強会です。皆にそば粉400gが配られました。「このそば粉は粗引きと超粗挽きの混合です。」
えっ、そば粉をよく見ると小鳥の餌のような大きな粒々が混じっていました。「凄いそば粉、大丈夫かなあ」福島県のそば打ちはもちろん生打ち、それは知っていました。さあ、先生の言うとおりに……。
最初は少量の水で全体をしっとり⇒粉を3等分に分け、その1つに熱湯を注ぎ入れ、糊を作る⇒その糊状になったそば粉を全体にまぶす⇒練ってはいけないがまとめる⇒3等分する⇒1つずつ練ってすぐ丸く1㎜位の薄さに延す⇒3枚を重ねて半分に切る⇒その半分も重ね6枚にする⇒左手の親指を定規にして菜切り包丁で切る。
最初は面白くてカンタン、カンタンと思っていました。でも丸延しでうまく真円にならずぎこちなくなってきました。おや?周りには全く割れはありません。ようやく3枚の丸延しが完成し、いよいよ切りの作業、特徴のある切りは難しく、切り終わった時には全身がカチンカチンになっていました。切り揃えは最悪ですが見事につながって、平麺の長いそばになりました。すぐ皆で試食をすると風味が抜群で、当然おいしい。
さて、改めて見渡すと、何ひとつ大げさな道具は使っていないことに気が付きました。家にある鉢やボールで粉をこねる、のし棒は短いもの1本、普通のまな板を使い、菜切り包丁で切る。本来の家庭で食べるそばってこういうものだと納得。そして不思議なことに2日経ってもそばはボロボロにならずおいしく食べられました。

平成29年1月28日
日本橋そばの会
会長 横田節子

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