子供たちにそば打ち体験の指導をしてほしいと依頼を受け、静岡県御殿場市にある国立中央青少年交流の家に向かいました。着いてみると敷地は広く、事前準備を怠った私が、迷いながらようやく子供たちの所に着いたのは約束の時間ぎりぎりだったので焦りました。
『平成28年度文部科学省委託事業体験活動プロジェクト「親子自炊生活体験」』というスゴイ名前が今日の体験会のようです。キャンプをしながら、火おこしから自炊生活3泊4日を体験します。そのカリキュラム最後の昼食にそば作りがあるのです。
22組の親子が参加しており、子供たちはほとんどが小学4年生ですが、一部中学生も参加していました。みんな自然が身近にない都会の子供たちです。

普段の体験教室とは違い、野外なので道具がすべて揃っているわけではないし、子供なので時間がかかり過ぎると飽きてしまう。主催者からそば打ちの間も何かそばにまつわる話をしながら進めてほしいとの注文を受け、頭の中はますます混乱し、大急ぎで準備に取りかかるともう子供たちは興味津々で近くに集まっています。エイ!とばかり始めました。
水回しは飽きてしまうので少しずつ変わっていく粒のサンプルを作り、回して近くで見てもらいました。やはり四つ出しで丸から四角に変わった時は「ワー!」といって喜んでくれました。途中、子供たちに「上手だね」と褒めてもらい、「何年やっているの?」「15年そば打ちをしているのよ」「それじゃあ今何歳なの?」「何歳に見える?」「45歳!」なんて何とも楽しい会話をしながら進めました。「さあみんなもやってみよう!」と言うとクモの子を散らすように班に戻りワイワイとこね始めました。

できるだけ大人は手伝わないようにして何とかそばを作り、湯を沸かしてそばを茹で、皆で「いただきます」の楽しい昼食になりました。お代わりもしてお腹いっぱい食べたようです。
キャンプも終わり、帰りのバスの中は疲れ果てて眠る子供たち、事故もなくホッとする親御さんたちで静かでした。辛かったけれどきっと夏休みの好い経験になったと思います。そのお手伝いができたことがとても嬉しく感じられました。

平成28年8月3日
日本橋そばの会
会長 横田節子

 

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