会長日記  済州島のご縁

2016-12-12

ご縁があるというのでしょうか、今年は 9 月と 11 月、 2 回も韓国に行きました。
1度目は 9 月 10 日から 5 日間「平昌そばの花祭り」に参加して、そば打ちを紹介し、韓国の皆さんに日本のそばをアピールしました。そこへ昨年訪問した韓国済州道の済州蕎麦育成事業団の皆さんが視察に来られ、私たちとの再会を喜び、熱心にそば打ちを見学されていらっしゃいました。
「楽しかったね」と旅の余韻がまだ冷め切らない 9 月下旬、「済州島でそば打ちの出店をしてほしい」と全麺協に要請がありました。驚きましたが、ゆっくり考える時間もなく、行くことに決め、直ぐに航空券を手配しました。何しろ知らされているのは済州道西帰浦市で柑橘祭りがあり、その祭りに出店をして、そばを振る舞うという事だけ。でも私はそれほど心配していませんでした。それというのも昨年お会いした道庁の李さんという女性のおもてなしと気働きが凄かったのです。きっと彼女が細かく計画を立てていることでしょうし、そんな彼女にまた会えると思うと嬉しかった。
慌ただしく準備をして 11 月 10 日、羽田から 7 人で向かった済州島、直行便は時間が合わず金浦空港での乗継はややこしく時間ばかりが掛かりました。ようやく着いた夜の空港はちょうど雨も上がり地面はライトの光で海面のようにキラキラ輝き、広い滑走路をゆっくり迂回する飛行機、列をなして待機する飛行機はまるで大きな魚のようでした。
翌朝、宿泊先のホテルから見る風景は一面の みかん畑、済州島は韓国で唯一柑橘類が育つ地域と聞いていましたがその風景は圧巻です。
さあ、二日間のそば打ち出店。案内された所は済州道西帰浦農業技術センター、ここで1週間「 2016 柑橘類博覧会」が催され、その一角で「日韓中蕎麦文化交流」のイベントを催すことになっていました。広い敷地には、もちろん柑橘類の試験栽培がされ、どこも熟したみかんがたわわに生っていました。また、来訪者が遊べる公園もあり、大勢の観光客で賑わっていました。

急いで出店の準備をしていると、もう人だかりしてきてそば打ちを興味深そうに見ています。隣の中国ブースは蕎麦粉で作った餃子、韓国ブースはもちろんチヂミ、そして私たちは蒲鉾、揚げ玉、葱、花かつおを盛ったぶっかけそばを提供しました。こじんまりとした蕎麦文化の交流の場所となり、日本の和食「そば」を紹介しました。 2 日間とも行列がなくなることはなく日本から持ち込んだ材料がなくなるまで 800 食余りを振る舞いました。かつおだしは大丈夫かなんて心配は無用、大人も子供も「イルボンメミルマシッソヨ」(日本のそばおいしい)と喜ばれました。李さんの計画は的中したようです。 私達は忙しいのにも関わらずみんなが喜んでくれるので疲れることを知りませんでした。
イベントの帰り道には気になっていたみかん狩りをしました。たくさん収穫し、ビタミン C を補給して元気を取り戻し、夜は済州蕎麦育成事業団の方たちと今後の済州蕎麦発展について話し合いがもたれ意見交換をしました。
日本のそばの紹介をして、みかんを食べて、韓国料理を堪能し、 3 泊 4 日の済州道そば打ち視察旅行は無事終了。 来年も行きたいななんて思っていたら何と事業団の方たちが日本に来られるという知らせが入りました。さっそく、一行は 11 月 28 日に来日、まずはそばの産地北海道幌加内へ、真っ白な雪景色に大喜びをしたそうです。翌日は製粉機械を作る工場を視察し、製粉工場にも行きました。そして最終日に私たちと東京の老舗そば屋で会食。彼らは今回の視察を貴重な体験ととらえているようでした。
ところで今回お会いして驚いたのは、李さんが片言の日本語を話していることです。
11 月、私たちが済州島から帰った後、李さんは日本語の勉強を始めたというのです。この素早い実行力にはまったく感心します。
そば屋での会食が終わり、事業団の皆さんと別れる時に思いました。
これって〝ご縁〟それも素晴らしいご縁だわ、って。  

平成 28 年 12 月 10 日
日本橋そばの会
横田節子

Copyright© nihonbashi-soba.org All Rights Reserved.

日本橋そばの會