会長今日は蕎麦前の一番手「天麩羅」を習いました。
私は天麩羅を揚げるのは苦手ですが今まで何度も作ったことはあります。レシピもテレビ
で見たり聞いたり「天麩羅を上手く揚げるコツ」「失敗しない天麩羅」など知っているつも
りでした。ところが今までの知識とは少し違うことが分かりました。
まず、「天麩羅屋さんの天麩羅」と「蕎麦屋さんの天麩羅」の違いを勉強。
天麩羅屋さんの天麩羅・・・・・・衣が薄いのが身上、衣を薄くし、カリッと仕上げ、天種の
素材を十分に引き出す。
蕎麦屋さんの天麩羅・・・・・・衣をわざと厚くし、蕎麦つゆが浸み込み易く仕上げるのが特徴。
いわれてみればなるほどと思いますが知りませんでした。
次に天種の下ごしらえを勉強。
本日の材料は穴子、海老、季節の野菜。
穴子は開き方から教わりましたが難しすぎて講習生は尻込み、先生の見事な包丁さばきを
見学しました。でも骨の付き方が鰻と違うことや、小さな背びれ、尾びれも取ることなど
耳学問になりました。海老は背ワタの取り方、尾の整い方、真っ直ぐに揚げるための技を
実習しました。
野菜は主に隠し包丁の入れ方を習い、これで下準備は終了。
私は江戸前鮨に似ていると思いました。どちらも周到な下準備を整え、客の前ではさっと
作り上げ出す、スピード感が一緒で、気の短い江戸っ子の食べ物の筆頭です。
さて、いよいよ揚げの勉強。
今回は胡麻油と綿実油を使います。今まで胡麻油に種類があることには関心がありません
でしたが天麩羅に使う油は香ばしい香りのする胡麻油ではなく、白い生の胡麻を絞った
白い透明な胡麻油を使うとのこと、旨みがあるからです。これも知りませんでした。
油の温度の測り方、素材によって違う油の適温、衣の付け方のちょっとした技、幾つもの
技術があるからこそプロの天麩羅は美味しいのか、改めて学び直した天麩羅講習でした。
平成 27 年 4 月 12 日
日本橋そばの会
会長 横田節子