東京生まれの東京育ち、今も東京に暮らしている私は8月のお盆はゆっくり休日を楽しみます。でも3日も休むとさすがに暇を持て余し、さて何をしようかと、すると春に作った味噌を思い出しました。
3月初旬、友人たちと房総に行った折、立ち寄った「たんぽぽはうす」で手作り味噌の材料が目に留まり、早速注文をしました。自宅に材料が届くや否や、えい!とばかり作りました。材料の大豆は「小糸在来」という品種で茹でて食べても甘い大豆です。そういえば、私の味噌造り履歴は古く、たぶんそば打ちと同じくらいでしょうか。そもそも穀物関係の仕事をしていたので、年末には小豆、大豆,大手亡など数種の豆を頂きます。そこで味噌を作り始めました。「前日に水に浸しておいた大豆を茹で、潰し、塩と米麹を混ぜ、樽にキッチリ詰めて熟成を待つ」易しそうな作業ですが、小業は必要でした。
一時はすっかりハマり、各地のいろいろな大豆を取り寄せたり、潰すために家庭用の挽肉器を使ったり、麦麹ではどのような味噌になるのか、失敗を含め試行錯誤していました。何しろそばと違い結果が出るのは約一年先なので気を長くしなくてはいけません。その後、自分の味噌作りレシピに落ち着き、毎年仕込んでいましたが、ここ1、2年はサボっていました。でもやはり買った味噌はなんとなく満足いく香りがないかな~と感じていました。
久しぶりの味噌作りですし、猛暑の東京はあまり好い環境とはいえないので、カビが来ていないかドキドキしながら蓋を開けると、お~大成功!
カビひとつなくきれいな黄金色の味噌ができていました。少し若い味噌ですがもう食べられます。「よしよし」と言いながら天地返しをし、綺麗にラップをして、その上にカビよけの唐辛子を数本のせ、蓋を閉めました。思いの外熟成が早いのであと数か月で出来上がるでしょう。すっかり安心し、「新米のごはんとお味噌汁」が楽しみになりました。
平成27年8月15日
日本橋そばの会
横田節子