韓国の人たちは「蕎麦」と聞くと、畑一面に真っ白に咲く蕎麦の花を思い浮かべると聞き、その蕎麦の花畑が見たくて、
全麺協主催の『江原道平昌群「そばの花祭り」・済州島蕎麦産地現地研修視察』に参加をしました。
4泊5日の研修、前半は韓国北部の平昌(ピヨンチャン)に行きます。ここは2018年に冬季オリンピックの開催予定地で、風光明媚な避暑地と聞いています。後半は済州道へ飛び、蕎麦産地の視察をし、現地の方々との交流を予定しています。
さあ、出発。成田空港から2時間半の午後3時、韓国仁川(インチョン)空港に着くと、今回全てを案内してくださる李鎬淳(イ・ホスン)氏が笑顔で出迎えて下さいました。李さんは平昌で大きな観光農園「ハーブナラ」を奥様と経営し、また他にも幅広く仕事をされている方で、流暢な日本語を話される国際人です。お会いするのは2度目ですが、フランクな話しぶりにすっかり和んでしまいました。直ぐにチャーターバスに乗り込み3時間余り行くとハーブナラに到着です。
そこは空気がツーンと澄んでいました。山と川に囲まれ、たくさんのハーブや、花が一面に咲き競う壮大なガーデンでした。
宿泊設備も整っていて、ステキなコテッジに宿泊ができます。私たちは2日間滞在し、自然を満喫しました。軽井沢と北海道の風のガーデンを一緒にしたような贅沢な立地でした。
ところで、私は韓流ドラマ大好きです。「冬のソナタ」にハマってからは韓流ドラマを見続け、次第に現代物から時代物に移りました。韓国の時代物は日本の戦国時代ドラマよりも戦闘シーンがリアルでしたが目を背けず見続けました。だからでしょうか、説明を聞いても少し理解ができたような気がしました。27代まで続いた朝鮮王朝の中で一番国民に尊敬されている世宗大王(セジョンデワン)が考案された「ハングル文字」、私はさっぱり分かりませんが、整然としていて美しい文字で、読めたらいいなあ~、勉強しようか~と韓国に来るといつも思います。まあすぐに挫折しますが、今回も思うだけになりそうです。
さて、蕎麦畑を見下ろす丘の上に韓国の作家李孝石(イ・ヒョソク)(1907~1942)の文学館がありました。代表的な作品『蕎麥の花の頃』は彼の故郷である平昌が描かれ、散文のような美しい作品で韓国の教科書には必ず載っているのだそうです。ということで、韓国の人たちは「蕎麦」と聞くと真っ白な蕎麦畑を連想するのだそうで、ロマンチックな感性に驚きました。館内をゆっくり鑑賞し、文学館を出る頃には空も暗くなり始め、夜になりかけていました。私たちはライトアップされた広大な蕎麦畑の真ん中まで進み入り、そこで一斉に風燈を夜空に揚げました。真っ暗な夜空に幾つのも灯りになって揚がっていく風燈は息を飲むほど幻想的な風景でした。
平成27年9月24日
日本橋そばの会
会長 横田節子