今年も山中湖の合宿に参加をさせていただきました。また富士山を眺められますようにと祈りながら夕刻車に乗り込み、 一目散で山中湖を目指します。夕食も取らず、でも途中温泉には寄って湯に浸かり、さっぱりして、 何だか訳が分からず夜半にようやく到着しました。
そのまま寝るのには少し早かったのですが、明日から始まる合宿が厳しいのか少し不安なのですぐベッドに潜り込みました。
一日目 オリエンテーションで合宿の内容を聞くと時間も余裕があり、みんなに付いていけそうと安堵し、一人ニコニコしていました。
鉢の作業、のし板での作業、切りと三通りに分け、ひたすら研鑽、まだまだ学ことが多く、到達点は見えません。
ただ、とっても嬉しかったのは一番苦手な切りの作業で一瞬ですが納得のいく切りができました。どこかで「練習は裏切らない」と聞いたことがありますが、改めてこの言葉を胸に刻みました。

さて毎回楽しみな昼食の賄そばは今回も手を抜いてはいません。
一日目 月見とろろそば、鴨南蛮そば

二日目 天麩羅そば、かけそば

三日目 大根おろしそば、けんちんそば

どれも出汁からしっかりつゆを作り、そばも産地、太さを違えてあるのです。

そう言えば、そば打ちの人たちは食に関して深く追求するタイプの方が多く、とことんこだわります。 この夜も各地から集まる仲間の皆さんに地元の蒲鉾を買って来てもらい、食べ比べをしました。
今回はシンプルな白の蒲鉾と指定をしたら、蒲鉾で有名な富山県は白い物は見つからなかったという興味深い報告もありました。
翌日は忍野村の豆腐の食べ比べ。
これが絶品!醤油はかえって邪魔で、そのままが美味しい。 口の中で広がる大豆の香り、ほのかな甘さを味わいました。
富士山から流れてくる水で美味しい豆腐ができるようです。

ところで今年の富士山は……。いつも通り雄大にそびえていました。 二日目の早朝、湖面にはくっきり逆さ富士が映り、白鳥がスーと泳ぎ、絵葉書のようなシーンになりました。

合宿も二年目、すっかり仲間とも打ち解け、和やかに話ができるようになり、この三日間は忘れていた若い気持ちで過ごしました。 「あと何回、参加できるかなあ」なんて思いながら見ごろの桜に別れを告げ、小雨の降る中帰路に就きました。

平成28年4月18日
日本橋そばの会
会長 横田節子

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