週末、所用で茨城県土浦市に行きました。上野からJRの快速で1時間余りの土浦市は首都圏への通勤圏でしょうが、私は旅行気分で電車に乗り込み、少しずつ変わっていく車窓からの風景を楽しみました。生憎の梅雨空でしたが、水田の緑が美しく、飽きることはありません。

土浦駅で知人の出迎えを受け、向かった先は「小町の館」という市の施設で、地元の特産物の販売やイベントを行い、また広く「そば」のPRもしています。到着したのは10時過ぎでしたが、もう大勢の方たちで賑わっていました。丁度そば打ち体験教室が始まったばかりで、早速、見学をさせていただきました。
2年前にできた体験館は広く清潔で、人気の施設ということです。

さて、ここがなぜ「小町の館」なのか気になりましたので案内所にたずねると、ここは小野小町と関係が深く、小町が旅の途中で立ち寄った所とのこと、案内書を見ると「小町の腰掛石」、「小町の墓」が載っているので行ってみました。水田の脇道を通り、木立が茂る道を歩いていくとやがて腰掛石がありました。「小町さんがここで一休みした」と想像を膨らまし、満足して体験館に戻りました。

美女といえば全麺協の海外レポートロシア編で「そばの女神『アクリーナ』の日」があるということを知りました。そのアクリーナの日は旧暦6月13日で、今の歴に直すと6月26日、この日はそばの種蒔きの最適な日であることから昔からこのような風習が残っていたものと考えられるとのこと。そばの雑炊を作り、貧しい人々に与え、一緒に豊作を祈った日とされているそうです。

小野小町と女神アクリーナ、二人の美しい女性にそばを通じて巡り合い、すっかり気分が良くなりました。

平成27年6月30日
日本橋そばの会
会長 横田節子

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