東京そばの会
「蕎麦春秋」の四方洋編集長が私的に催している「東京そばの会」には時々参加させていただいていました。時節に合った講演と最後に振る舞われるそばはいつも楽しみでしたが、そのそば振る舞いを12月5日の会に担当させていただくことになりました。
間に立たれたほしひかる様((江戸ソバリエ協会 理事長)からこのお話を伺った時、嬉しさのほうが先行して責任の重大さは後になって気が付きました。
でも、何とかやり遂げたいと日本橋そばの会の江戸ソバリエの方を中心にお手伝いをお願いし、準備を進めていきました。そば粉は今年の夏に交流した北海道北檜山せたな町から頂いたちょっと野性味のあるそば、もう一種は繊細な風味の金砂郷「常陸秋そば」を茨城県のそば友にお願いして調達、この二種に決めました。
さて、当日自宅打ち場でそばを打ち、会場へ。
お客様は前日の打ち合わせで60名と聞き、70余名分を用意しました。
午後6時半からの始まりですが、早めにと3時に現地に行き厨房に入り準備、事前にも厨房を見せていただきましたので焦りはありませんでしたが、私はデモ打ちがあるので終始落ち着かずドキドキしていました。そのうち出席者がどんどん増えていき結局74名になりました。常連のお客様が予約なしでいらっしゃるのだそうです。
驚きましたが、やはり多めに用意しておいてよかったとホッとしました。
定刻通りそば会が始まり、厨房を仲間の皆さんに任せ、私はデモ打ち、久しぶりの人前でのそば打ちは緊張の連続です。さまざまな質問に答えながら、冷や汗をかき、何とかそばを切るまで進んだところで支配人さんが小声で「厨房でそばが足りないそうです。急いで下さい」と。えっ!急がなくては・・・・・・。途端に切り方が乱れました。まだまだ経験が足らないと反省です。
ようやく終わり、会場を見渡すと江戸ソバリエの幹部の方々、そして同期の笑顔がありました。応援に来て下さったのです。安堵と共に胸が熱くなりました。
そば会の最後に私を支えてくれた仲間と壇上に並びお客様に挨拶をし、大イベントは終わりました。
長い一日、緊張の連続、でも皆さんは疲れも顔に出さず晴れ晴れとしています。納得のそばが出せたようです。
さすが頼りになる最強のチームだと改めて思いました。
平成26年12月5日
日本橋そばの会
横田 節子