日本橋そばの会の研鑽会で打ち粉の使い方を勉強しました。
打ち手によって打ち粉の使 い方は多少違いますが、
「のし」の作業では最小限の量を使い、
「畳み」の作業では大目に 使っても良い、というのが基本と思います。
でもその按配が難しいのです。
達人のそば打ちを見ていると「のし」の作業では殆ど使った形跡が
見られないほど少量を さっとふり、麺体には白く残っていません。
経験の浅い人はどうしても多く使いがちで、 しかも固まってまるで
ぼたん雪のように麺体に落としてしまいます。
また、料理を学んだことのある人は指3本でふり塩をするように繊細に
撒きますがこれも 興味深い傾向です。
そして「畳み」の作業となると達人は神業のような使い方、
一度に大目に打ち粉を取り、 まるで投網のような投げ方で麺体全体に撒きます。
はみ出さず、全体に行き届かせるには 綿密な計算と経験を重ねないとできません。
以前、達人から「打ち粉の練習は、庭の真ん 中にある梅の木の根元に
向かって撒いていました。」とお聞きし、凄いなあと感心したこと があります。
少しずつ撒いても、万遍なく撒くことが出来ず、仕舞いには手で撫でて
均等にしてしまう。 これでは麺体に食い込んででは美味しいそばはできません。
本当に打ち粉の使い方は難しいと思っています。
平成27年3月1日
日本橋そばの会
会長 横田節子