済州島に到着したのは午後2時過ぎ、済州道庁の方々の出迎えを受け、まずは同庁に表敬訪問をしました。
そこにはもう会議室が用意されていて早速歓迎レセプション、段取りの速さにビックリしました。
でも驚きはこの先も続きました。丁寧に済州島の紹介をする方も通訳も皆ステキな女性陣です。ちょっと李さんが「本土で交通渋滞に遭い昼食抜きで来た。」とジョークを言うと、すぐに韓国の海苔巻きキムパプを用意してくださいまして、その美味しいキムパプをいただきながら済州島の歴史を勉強しました。まず、済州島は石が多く、風が強く、女性が多いことから三多島、泥棒と乞食がいなくて家の表門がないことから三無島と言われていると紹介されました。石の多くは島の真ん中にある漢拏山(ハンラサン)の火山噴火によって生成されたもの。島民はこの石で石垣を築き、島特有の強風も風が通り抜けられるように積み上げ、美しい風景に変えていました。
女性が多いのは魚を獲りに行った男たちが台風に遭って帰ってこられなくなったからと説明がありましたが、同庁の女性陣は「今は違います。」と笑って付け加えていらっしゃいました。三無島とはそのままに善良な島民たちの平和な島を象徴しています。 せっかくなのでと島の風景を楽しみながら穀物倉庫に案内をしていただき、普通蕎麦と韃靼蕎麦の貯蔵庫を見学しました。いずれも小粒なのは、島は風が強いので倒れやすい畝撒きができず、たくさんの蕎麦の種をばら撒きにしているためと推測されました。
ところで、晴天の日も激しい雨風が吹き付ける日もいつも気丈な姿勢で済州島を見守る守護神「トルハルバン」は心強い父親のようでもあり、おおらかでその姿はユーモラス、私は石仏が大好きなのでつい立ち止まってそのたびに見入ってしまいました。
翌日いよいよ島民の方々との交流会が予定されています。
蕎麦栽培農家の女性陣が伝統の蕎麦料理を振る舞ってくださると、聞き及び、楽しみにしていました。天気も絶好の晴天、昼前に到着すると驚くことにテレビ局まで撮影に来ており、私たちより農家の方々が緊張されていました。これも同庁の女性陣が綿密に作り上げた企画だそうです。
そして、今日の主役、蕎麦料理はキチンと一つづつ作り方を説明し、実際にその場で作ってくださいました。
ムック・・韓国の蕎麦豆腐、トルレット・・そば粉とサツマイモを混ぜて蒸したもの、そば餅・・そばのお焼き)
通訳を交えてですが会話も弾みます。栽培農家の女性陣はとても親切で美しく素朴な感じがとてもすてきでした。温かい最高のおもてなしを受け、この時もああ少しでも会話が直接できたらと悔みました。
さて、済州島にも「蕎麦の女神」がいらっしゃいました。名前を「チャチョンゲ女神」といい、女神は民に栽培させる良い穀物を天から地上に持ってきてくださいました。それが蕎麦の種で女神はあまりにも大事に、こぼさないようしっかり脇にギュッと挟んできたので丸い種は三角になってしまったそうです。
またこんなことも聞きました。蕎麦は『黄⇒根、青(緑)⇒葉、白⇒花、黒⇒実、赤⇒茎』となり、韓国の伝統食文化「五味五色」が揃っている高貴な植物なのだと。改め蕎麦は凄いと思った一瞬でした。
おまけ:大韓民国の行政区の一つ「済州特別自治道」は済州島全体と牛島、馬羅島などの付属小島嶼からが成っており、道都は済州島の済州市にあります。
会長日記
平成27年9月28日
会長 横田節子