広島市内から車で走る事 1 時間余り、キラキラ光る美しい石州瓦の家々が続くのどかな 山里の景色を眺めていると、やがて小道の角に小さな看板がぽつん、周りの雑草に負けじ と立っていました。そのころになると道に迷ったような車や一目散の車が現れ始め、皆同 じ方向に走り進みます。「広島達磨」に行くのです。

一度は行きたいと思っていました。いつかと思っていてもなかなか機会がないままでした が、今回念願が叶いました。「広島達磨」はこの 5 月で閉店し、九州に移るとの事。
店に到着した時には大勢のお客さんが順番を待っていまし た。混んでいるだろうと覚悟はしていましたが驚きました。車のナンバーも様々、きっと 私と同じで究極のそばを食べたいから来たのでしょう。そして待つこと 1時間、案内された店の中は贅沢な木造づくりの空間で、天井が高く開 放感がありました。席もゆったりとしています。私は少し緊張をしながらカウンターに座りました。きびきびとしたお弟子さんが運んできた のはもちろん「もりそば」。ツンとしたたたずまいのそばはもちろんきりっと絞まり、上品 な色合い、艶としていてしばし眺めてしまいました。のど越しが何とも爽やかで噛むとモ チっと甘く、スッと入ってしまいます。つゆは凛として決して甘くなく、辛くなく、澄ん でいて、つゆの材料が何も主張していません。どうしたらこのようなつゆができるのか素 人には分かりません。「美味しかった。」この一言に尽きるそばでした。

さて、広島は初めてでしたので、やはり宮島に行きました。朱塗りの厳島神社はさすが 世界遺産、圧倒的な荘厳さを放ち、大鳥居は思っていたより大きく逞しく建っていました。
潮が引いたので散策を楽しみ、昼食に「穴子飯」、おやつに「もみじ饅頭」、夕食は市内の店で 「お好み焼き」、「牡蠣焼」と名物は残さず頂きました。地元の方から「お好み焼き」は戦後子供に野菜をたくさん食べさせようと考え出した食べ物と説明を受け、歴史を感じま した。

ところで広島の路面電車は海沿いはかなりのスピードで走り、市内はゆっくり走る 便利な市民の足、私も何度も利用しファンになりました。そういえば香港、サンフランシ スコ、富山でも乗ったことがありますが、どこも何となくレトロで映画に出てきそうな楽しい乗 り物です。

そしてやはり原爆ドームに行きました。おりしも好天の祭日、平和公園は若いカップル や家族連れが楽しそうに遊んでいました。このおだやかで平和な昼下がりが何とも有難く 感じられた今回の広島旅行でした。

<お土産>

平成 27 年 4 月 29 日
日本橋そばの会
会長 横田節子

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